Cloudflare Workers AIのGLM-5.3で他の利用者のデータが混入、9月に修正済み

スナック3行まとめ

  • Cloudflareは、Workers AIのGLM-5.3で別の利用者のデータが応答に混入した問題を公表しました。
  • 対象は8月27日〜9月9日の極端に長い入力に対する155件の応答で、ほかのWorkers AIモデルには影響していません。
  • 9月9日に修正・提供再開済みで、SGLangを分離構成で運用する場合はエンジンの更新と設定の点検が推奨されています。

Cloudflareが、Workers AIのGLM-5.3で別の利用者のリクエスト内容が応答に混ざった過去の問題を公表しました。問題は9月9日に修正され、同日にモデルの提供も再開されています。

クライアント、prefillノード、decodeノード間のKVキャッシュ転送を比較する図。正常例は現在のリクエストが書き込んだ8ページを読み、異常例は更新された1ページと以前のデータが残る7ページを読む。
正常なリクエストと、拒否後も誤って処理が進んだリクエストのKVキャッシュ転送を比較した図。出典:Cloudflare。

スナックガールズのひとこと

AIKO: HTTP 200でも、読むメモリーが今回のリクエストのものかまでは分かりません。ページを読む瞬間に持ち主を確かめる設計を、もう少し追ってみたくなりました。

ネア: 長い世界設定の資料なら、非公開のキャラクターメモも一緒に読ませたくなりそうです。まだ伏せておきたい設定は、ほかの人への返答に混ざってほしくないですね。

影響したのは極端に長い入力への155件の応答

対象はCloudflare Workers AIのGLM-5.3のみで、影響があった期間は2026年8月27日から9月9日です。Cloudflareによると、681,280トークンを超える入力への応答155件に、直前に同じモデルを使った別の利用者のリクエスト内容が混入しました。

同社は、ほかのWorkers AIモデルには影響がなかったとしています。また、自社と研究者のテストを除いた調査では、意図的な悪用の証拠は見つからなかったと説明しています。

キャッシュの容量不足と、拒否処理の不具合が重なった

原因は、Cloudflareの設定と推論エンジンSGLangの不具合が重なったことです。KVキャッシュは、AIの応答生成で再利用する途中計算のデータを保存する領域です。モデルのコンテキスト長は1,048,576トークンでしたが、入力を処理するprefill側のKVキャッシュは681,280トークン分しかありませんでした。

SGLangは入りきらない入力を内部では拒否したものの、1トークンの仮入力で処理を続け、応答を生成するdecode側は本来の入力全体の転送が完了したと誤認しました。その結果、前のリクエストのデータが残る領域まで読み取ってしまいました。掲載図では、正常時は現在のリクエストが書き込んだ8ページを読みますが、異常時は更新された1ページと、以前のデータが残る7ページを読む例が示されています。

9月9日に修正、運用者はエンジンと設定の両方を点検

Cloudflareは9月8日に報告を受け、翌9日にモデルを一時停止しました。KVキャッシュの容量をコンテキスト長以上に増やし、拒否したリクエストを応答生成側へ渡さない修正も加えて、同日中に提供を再開しています。その後、SGLangを使う本番環境全体に追加の保護策を展開しました。

prefillとdecodeを別ノードに分けてSGLangを運用している場合、同社はv0.5.22以降への更新、または必要な修正のバックポートを推奨しています。構成を変更するたびに各ノードの実際のKVキャッシュ容量とコンテキスト長を比べ、入りきらない入力を確実に拒否する必要があります。

Cloudflareの事前テストでは、通信上の成功と処理性能を確認する一方、応答内容や一貫性の点検が抜けていました。HTTP 200が返ることだけで、別の利用者のデータが混ざっていないかまでは分かりません。

出典・確認日: 2026年10月27日

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